2025年6月– date –
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『応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱』(呉座 勇一)
呉座勇一の『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中公新書、2016年)は、室町時代後期の日本を揺るがした大規模な内乱「応仁の乱」を、緻密な史料分析と親しみやすい語り口で解説した一冊です。この書は、単なる戦乱の記録にとどまらず、地方の荘園紛争から... -
『覇権·暴力·保険 海上保険の形成と発展』 (新谷 哲之介)
新谷哲之介の『覇権・暴力・保険:海上保険の形成と発展』は、海上保険の歴史を、戦争、私掠、捕獲といった暴力や地政学的リスクと結びつけ、国際法、経済史、保険法理の交差点で考察する学際的な力作です。本書は、保険制度が単なるリスク管理の技術を超... -
『役に立たないロボット 日本が生み出すスゴい発想』(谷明洋)
谷明洋氏の『役に立たないロボット 日本が生み出すスゴい発想』(インターナショナル新書、2025年)は、効率や生産性を追求する従来のテクノロジー観に一石を投じる一冊です。本書は、「役に立たない」とされるロボットが、実は人間の感情や社会的なつなが... -
『貨幣システムの世界史〈非対称性〉をよむ』(黒田明伸)
黒田明伸の『貨幣システムの世界史〈非対称性〉をよむ』は、貨幣の歴史を単なる経済的道具の変遷としてではなく、社会的・文化的文脈における多様な役割とその「非対称性」を通して捉え直す、知的刺激に満ちた一冊である。本書は、貨幣システムをグローバ... -
『STATUS AND CULTURE』(デーヴィッド・マークス著)
W. デーヴィッド・マークス著、黒木章人訳の『STATUS AND CULTURE ――文化をかたちづくる〈ステイタス〉の力学 感性・慣習・流行はいかに生まれるか? 』(筑摩書房)は、ステイタスが文化の形成や変遷にどのように影響するかを深く掘り下げる一冊です。社... -
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆)
三宅香帆の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)は、現代社会の「働くこと」と「読書」の関係を、独自の視点で掘り下げる一冊だ。忙しい毎日の中で、「本を読みたいのに時間がない」「読む気力が湧かない」と感じる人に、まるで寄り添... -
『漢帝国 -400年の興亡』(渡邉義浩著、中公新書)
歴史書を読む喜びは、遠い過去の社会や人々の息遣いを丁寧にたどり、その中に現代にも通じる普遍性を見出すことにあります。渡邉義浩の『漢帝国 -400年の興亡』(中公新書、2019年)は、紀元前202年の漢の建国から後漢の滅亡に至る約400年の歴史を、明快か...
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