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『刺さる言葉 「恐山あれこれ日記」抄』(南直哉)
南直哉の『刺さる言葉 「恐山あれこれ日記」抄』(筑摩選書、2015年)は、禅僧であり恐山菩提寺院代を務める著者が、ブログ「恐山あれこれ日記」に綴ったエッセイを厳選・再編集した一冊です。死、自己同一性、生きる意味といった深遠なテーマを、仏教の「... -
『実利論 古代インド「最強の戦略書」』(笠井亮平)
古代インドの戦略書『アルタシャーストラ』を現代に蘇らせた笠井亮平の『実利論』(文春新書)は、古代中国の『孫子』と比較しながら、カウティリヤの合理性とリアリズムを丁寧に紐解く一冊です。この書は、軍事戦略に留まらず、統治、外交、組織運営に至... -
『漱石の孫』(夏目房之介)
夏目房之介の『漱石の孫』(新潮文庫)は、夏目漱石の孫という特異な立場から、マンガや文化、現代社会を考察したエッセイ集です。漫画家であり評論家でもある房之介氏は、自身の多面的なアイデンティティを通じて、知識人と大衆の境界が曖昧な現代を鮮や...