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『実利論』 古代インド「最強の戦略書」(笠井亮平)

『実利論 古代インド「最強の戦略書」』の紹介

著者: 笠井亮平
出版社: 文藝春秋(文春新書)
概要: 『実利論(アルタシャーストラ)』は、古代インドのマウリヤ王朝でカウティリヤが著した国家統治と戦略の古典です。本書は、笠井亮平がこの難解な文献を現代の視点から読み解き、戦争論、外交術、情報戦の知恵を、現代の地政学やビジネスに応用可能な形で紹介する一冊です。マックス・ウェーバーが「マキャヴェリの『君主論』を無害に見せる」と評したほどのリアリズムに満ちた思想が、平易な語り口で紐解かれます。

内容の特徴:

  • 合理的な戦争論: カウティリヤは、戦争を始める前に敵と味方の資源、タイミング、損得を冷静に分析することを説きます。迷信や占いを否定し、利益(実利)追求を重視する姿勢は、中国の『孫子』と共通し、両者の比較が本書のハイライトです。
  • 政策能力(マントラ)の重視: 勇気や軍事力以上に、戦略的知恵や外交手腕が国家の成功を左右すると強調。たとえば、敵を戦わずして屈服させる懐柔策や情報戦の重要性が説かれます。
  • マンダラ外交: 隣国を敵、その隣を友邦とする外交戦略や、和平・戦争・中立を使い分ける「六計」を紹介。現代インドの外交(例:モディ政権)にも通じる実践性が示されます。
  • 現代への応用: 古代の知恵を、現代の国際関係(例:インドのトランプ対策や中国とのバランス外交)や企業戦略に活かす視点を提供。情報収集やリスク管理のヒントも満載です。

おすすめポイント:

  • 古代の戦略書を現代につなぐ独自の視点。地政学や経営に興味がある読者に最適。
  • カウティリヤと孫子の合理主義や戦略思想の比較が、歴史ファンにも知的刺激を与える。
  • 難解な原典を、具体例と平易な解説で身近に感じられる。
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